
「まさか避難することになるとは」「市内のあちこちで浸水被害がでているそうだ」「荒川の決壊が怖い」 一昨年の台風19号襲来時、一時避難所となった戸一小体育館で不安な声を伺いました。
大地震による津波で街が消滅した2011年の東日本大震災。そして、近年、大型化する台風による大雨洪水被害。街にどんなに良い施策が計画されていても、大災害はそれを無にしてしまいます。
したがって、「災害に対応できる防災力」こそ、あらゆる施策が成り立つ大前提だと考えます。自然災害発生は防ぎようがありませんが、備えと対応によって被害を小さくことはできるという考えから、私は「防災力の強化」に関する取り組みを、新型コロナ対応の次に重視します。
現在、戸田市を襲う可能性のある大災害は、今後30年間の発災確率が70%と言われている「首都直下地震」と、近年大型化する台風による大雨で荒川堤防が越水・決壊することで引き起こされる洪水被害です。
祖母が阪神淡路大震災で被災するともに、その後、被災地の支援活動に従事した経験を持つ私は、地元のかじや町会に加入してからの17年間、自主防災会の一員として地域の防災活動に従事してきました。その後、議員になってからは、毎年必ず一般質問で「大地震や洪水被害に対する備えや対応」について採り上げ、現状の足りない部分を指摘し、戸田市の防災力を高めてきました。
国が非常の際の調整池である彩湖・道満グリーンパークを水没させることで荒川氾濫を防いだ一昨年の台風19号の際は、荒川氾濫が心配される中、一時避難場所となった戸一小体育館に、校区内の議員としてただひとり駆けつけ、避難して来られる市民の保護と避難所運営にあたりました。
市から派遣された避難所対応の職員さんたちをサポートしながら、体育館備品の使用や足りない物資の配布方法など、責任者が独自に判断しづらい場面では、「議員である私が責任をとるから」と申し上げ、避難者の皆さまが少しでも快適に待機できるための決定をしていただきました。
日が暮れてから、万が一の荒川決壊の可能性を考えて、避難者の皆さまを体育館から校舎上階に誘導した後、風が弱まるのを待って、深夜と翌日に、市内で冠水や浸水被害が起こっている地区の状況把握と見回り活動を行いました。
戸田市議会では、これまでに多くの議員が「防災問題」を扱い、議会全体として戸田市の防災対応力強化に努めてきました。その中でも私がかかわることで前に進んだ項目としては、
- 災害時に市外市内で帰宅困難者になる方を想定しての帰宅支援策検討
- 災害時に市外で帰宅困難者になった場合の市内での子どもの預かり体制の強化
- 防災無線やSNS、ホームページなど災害情報の発信のやり方の見直し
- 避難所となる市内小・中学校体育館で、停電時のスマホ充電や照明点灯を可能にする簡易発電装置の設置推進
- ブラックアウト(大停電)が起こった場合の非常用発電装置の燃料確保体制の整備
- 災害発災時の状況に即した避難所運営の見直し
- 首都直下地震を想定した防災対応の見直し
等があります。今後も進捗状況を確認し、戸田市の防災力強化を進めてまいります。
冠水したオリンピック道路