これからの戸田市に無くてはならないもの、それは街中の緑です。私は議員になる前の仕事で全国47都道府県を巡り、主な都市の駅に降り立ちましたが、魅力を感じる駅前には豊かな緑や季節の花が咲き誇る花壇やフラワーハンギングバスケットがありました。残念ながら戸田市内3駅や戸田市役所・公共施設には緑や花が不十分。昨年整備された戸田駅西口駅前広場(写真)は、イベントを開催するには良い場所になりましたが、緑をそれほど感じることはできません。これは惜しいことです。

 今、人気を集める先進都市をみると、街中に緑と自然を増やす傾向があります。それについて、以下、少しお話をさせてください。

 私たちのご先祖様はさまざまな自然の中に神様が宿る「八百万の神」という考えを持っていました。そこから自然に感謝し、お互いを大切にする、目に見えないものに対しても心を動かされるという感性を養っていました。ご飯を食べる時に「いただきます」と感謝の言葉を言う、虫の音に季節を感じる、雨が降った後の草木にみずみずしさと元気を感じるといったことも、無意識のうちにご先祖様から受け継いできた感性です。だから、身近に「自然・緑や花」がある街には、美しさや安らぎを感じられるのです。神社を参拝して鎮守の森に囲まれて気持ちが優しくなる体験、皆様にもあるのではないですか。その感覚です。

 私の故郷・九州の福岡市は「一人一花」という花いっぱい活動を大切にしていて、市民や企業が多く参加しながら街中を季節の花で飾っています(写真)。街の玄関・JR博多駅前にも歩道に花壇があって季節ごとに多種類の花が植え替えられています(写真)。まちを花でいっぱいにする動きの旗振り役の福岡市役所もその玄関前に大きな花壇(写真)を用意し、市役所を訪れる方々に「市が一人一花に力を入れている」ことをPRしています。

 でも、私が一番注目しているのはそこではありません。福岡市役所に隣接する「アクロス福岡」という公民連携で生まれたビル(写真)です。このビルは25年かけてビルの南側を「森」にしました。今では多くの野鳥も生息する場所となっています。そして一階からその森山を登っていくことができるのです。14階建てなので戸田市役所より高く、最上階は展望台になっています。中のオフィスの窓からは森の景色が広がり、ここがビル街の中とは思えないくらいです。

 政治が決めて、25年かけたらビルに森ができるんです!

 福岡はそれだけでなく、街の玄関・JR博多駅の屋上が小さな森になっています(写真)。繁華街には壁面緑化された商業ビルもあります(写真)。さらには、マンションのベランダの端に木を植えて将来それが成長することを想定された設計になっています(写真)。市の中心にある大濠公園には、周辺の自然と調和したデザインのスタバがお店を構えています(写真)。そこに行く度に、戸田ボートコースもこのようになったらいいな!とつい夢見てしまいます。

 戸田市ではこれからも公共施設の建て替えや駅前整備が続いていきます。整備の中で機能性を重視するだけでなく、森を組み込みことを考えて施設をつくっていきたい。民間建物の屋上緑化や壁面緑化、ベランダ緑化を後押しし、街中に季節に応じた花が植え替えられる。市民がガーデニングを気軽に学べる、街中の緑の保全にプロの協力を得る、市民が参加しながら身近に美しい場所を拡げていく。

 時間はかかりますが、そんな「緑の戸田市」をつくり、次の世代に繋いでいきませんか。心を育む緑の環境づくりに、皆様のお力をぜひお寄せください。

【令和6年12月定例会映像】

https://www2.city.toda.saitama.jp/gikai/g07_Video_View.asp?SrchID=6735

林冬彦12のお約束

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