2011年(私が市議会議員になる前)に、市民の立場から「市民にとって望ましい議会とは」どのように考えているかインタビューを受けた記事になります。市議会議員になった今もこの考えは変わらず、市政に臨んでまいります。
議会も市民報告会を開いて 有権者は「情報発信」を
地方政治への有権者の関心が高まるよう、政治家を招いて公開討論会や対話集会を開いてきた市民団体「いしん埼玉市民の会」。会長の林冬彦さん(46)に、有権者の意識や政治へのかかわり方について聞いた。(上田雅文)
― 都市部を中心に投票率が低くなりがちな地方選挙について、どう思いますか
町内会など身近な活動に関わるきっかけが少なくなっていて、地域への関心がなくなっているのが大きい。ごみの片付けなど、それぞれの小さな自治に市民が参加してやれることをやり、地域に関わることで、街の問題点が見えてくる。関わりがあれば「(選挙について)自分とは関係ない」とは言えなくなる。
― 市民が地方政治に関心を持てないのは
地方議会(決定機関)と首長(執行機関)の役割の違いが、多くの市民にはごちゃごちゃになっている。自分たちの街で何が問題になっているのか、市民に情報を提供して伝えられない政治家が多い。都合のいいことばかり言って「私はこれをやりました」では、市民は「またか」と嫌になる。
― 求められる議員とは
議員は街の案内人であってほしい。市民に近い立場の議員が、行政の現状をかみ砕いて分かりやすく市民に伝えることの重要性は増している。市民への報告会のようなものが議会にあれば良い。議員は市民の質問にさらされ、資質が求められる。そんな刺激がないと勉強も努力もしない。市民の関心が高まれば、議員の質も変わり、議会の質の底上げが図れる。
― 自治体の財政は苦しいが利益誘導型の政治はなくならない。切実な問題だという地域もあり、望む人もいる。また、それが票につながる。しかし、自治体の財政に余裕はない。不要(な事業)と判断された場合、市民には理解する気持ちが必要だ。従って、首長や議員は市民が納得できる考え方を示せるか、自治体の価値を高めるビジョン(展望)を訴えられるかが大事になる。
― もうすぐ統一地方選ですが、前回(2007年)との違いは
市民に関心がない。4年前には「公開討論会はいつするのか」という問い合わせが多く、期待感があった。今は熱気が感じられない。前回(09年)の衆院選で「変わるだろう」と投票したものの、政権交代後、裏切られた気持ちやあきらめが漂っている。政治パフォーマンスに対しても、目が肥えてしまっている。
― それでも有権者はどう行動すべきだと思いますか
議会は行政のチェック役だというが、本当にチェックするのは市民。インターネットを使って情報を探す市民は確実に増えている。個々が「自分なら、この観点でこの議員に投票する」などの情報発信をするべきだ。市民同士で意見を交わすことで、発見できるものがある。そうすれば「投票に行かなければ」と感じるはずだ。